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  • 執筆者の写真Kyohei Hayakawa

アメシスト 涼やかな耽美

更新日:2022年1月24日


アメシスト Amethyst


石言葉:誠実、心の平和

石の力:不安や迷いを退け、心の安らぎをもたらす。

和名:紫水晶

硬度:7

2月の誕生石


涼やかな透明性に妖艶な紫色が広がるアメシスト。

その軽やかで耽美的な宝石は古来私たちを魅了し続けてきました。

最も古くから人類がかかわってきた宝石とも言われ、2万5000年前の遺跡からアメシストの装身具が発見されたこともあります。

アメシストは水晶が紫色になったもので、さまざまな色のある水晶の中で最も価値の高い宝石とされています。

色の濃淡の幅も広く、深いパープルから淡いラベンダー色まで、それぞれ違った魅力を放ちます。

紫という色は古くから高貴な色として扱われ、宗教的にも聖なる石として大切にされてきました。

古代エジプトでは魔除けとして用いられ、中世には王冠や大司教の指輪に飾られるなど、その特別な力に身分の高い者たちも大切な想いを込めていました。

かつては王族が扱うような高価な宝石でしたが、やがて新鉱山が発見されるなどロシアやブラジルでの産出が増えたため、現在では私たちでも高品質なアメシストを入手しやすく、その高貴な美しさを楽しめます。


アメシストの名前の由来は、「酒に酔わない」という意味のギリシャ語の「amethistos」から。そのため古代ギリシャの時代から、この石を身につけていればどんなに飲んでも酔うことがないと信じられてきました。

そのアメシストにはギリシャ神話の中でこのような伝説があります。


豊穣と酒の神ディオニソス。

ある日機嫌の悪かった彼は、これから最初に出会った者を虎に襲わせようと考えます。

そこへ通りかかったのは「アメシスト」というニンフ(妖精)。

彼女は月の女神ダイアナの神殿へ向かう途中でした。

今まさに虎に襲われようとした時、アメシストの危機に気付いたダイアナは間一髪のところで彼女を純白の水晶に変えました。

そのアメシストの姿を見て、ディオニソスは自分の罪に悔いを感じます。

そこで彼は持っていたブドウ酒を水晶にそそぎ、美しい紫色の宝石に変えました。


悲しくも美しいアメシストの物語です。


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