Kyohei Hayakawa
ムーンストーン 幻想の光

ムーンストーン Moonstone
石言葉:純粋な愛
石の力:直感力を高める
和名:月長石(げっちょうせき)
硬度:6〜6.5
6月の誕生石
ムーンストーン。その名が宝石の詩的美しさを素直に表現しています。
乳白色に月光のような淡い光が浮かび上がる幻想的な輝き。
その青みがかった光は「シーン」もしくは「シラー」と呼ばれます。
それぞれの石で光の雰囲気が違うだけでなく、見る角度によってもその表情が変わるところに魅力があります。
ムーンストーンは「長石(ちょうせき)」と呼ばれる鉱物のひとつです。
長石には多くの種類があり、地球上の岩石の約50%を占めると言われていますが、
その中で美しい宝石として扱われるのは、ほんのわずかなものだけになります。
人々は古くから月に幻想的な美しさを見出してきました。
ムーンストーンはその月の力が宿る「聖なる宝石」として尊ばれ、
幸運をもたらす石、自分の将来を予知できる石、としても信じられました。
月の光が暗闇を照らし旅人を導くことから「旅人の石」とも呼ばれ、旅や航海のお守りとして用いられることもありました。
古代ローマの博物学者プリニウスの著書『博物誌』でも、「この石は月の満ち欠けに従って、その形も変化する」と記され、幻想的な伝説が残っています。
ムーンストーンは紀元前100年のローマ時代にジュエリーとして広まり、宝飾品としても長い歴史を持ちます。
その神秘性から多くの芸術家に愛され、19世紀のアールヌーヴォー・ジュエリーなど芸術性の高いデザインにも多く使われました。
長い歴史の中で人々を魅了し続けてきた月の宝石は、現代の私たちにも幻想的な世界を感じさせます。