Kyohei Hayakawa
ラピスラズリ 天空の色彩

ラピスラズリ Lapis Lazuli
石言葉:幸運、成功
石の力:決断力をもたらし成功をもたらす
和名:瑠璃(るり)
硬度:5〜5.5
ラテン語で「青い石」を意味するラピスラズリ。
深い青色に金色の小さな斑点が見られるものも多く、
天空や宇宙を描写しているかのような神秘の石です。
最も古い宝石のひとつともされ、エジプトでは紀元前3100年頃から
ネックレスなどのジュエリーとして使われていました。
夜空に無数の星がきらめいているような姿から、夜に旅をする者の道しるべともされ、そこには困難を乗り越える希望も感じられます。
魔除けとしても尊ばれたラピスラズリは、文明によってさまざまな伝説も残されています。
古代メソポタミアの神話では、美と豊穣の女神イシュタルが護符として身につけていたとされました。
また古代エジプトでは「天空と冥界の神オシリスの石」と呼ばれ、最高の力を秘めた石として、墳墓の副葬品として用いられました。ツタンカーメンの墓からは、おびただしい量のラピスラズリも発見されています。
有名な黄金のマスクの目の周りなどの青色部分もラピスラズリでできています。
17世紀のオランダの画家、フェルメール。
日本でも人気の高い彼の代表作といえば『真珠の耳飾りの少女』です。
少女のターバンは鮮やかな青色で表現されており、ウルトラマリン・ブルーという絵の具が使われています。
実はこの絵の具はラピスラズリを顔料としてつくられていました。
現在では人工的につくることのできる色ですが、フェルメールの時代は天然の鉱物でしかつくることができず、非常に高価な絵の具とされました。そのため財力のあったフェルメールはこのウルトラマリン・ブルーを印象的に使い、「フェルメール・ブルー」と呼ばれるほどにその独特な美しさを表現しました。
そこには静寂を愛するフェルメールの美意識が無垢にあらわれています。
