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  • 執筆者の写真Kyohei Hayakawa

人工宝石の価値と天然宝石の悠久の物語



科学技術の進歩により、人工の宝石は近年大きく発展を続けています。

現在ではすでに、天然宝石との科学的性質による違いはほとんど見られません。

また、地球環境などを守るエシカルな面からの支持もあります。

特に人工ダイヤモンドは「ラボグロウン・ダイヤモンド」(研究所で育てられたダイヤモンド)と呼ばれ、いくつかの専門ブランドも誕生していることから、ひとつの価値を生み出しています。


以前ではコストがかかり過ぎ、天然宝石と比べると採算が合わないこと、また、天然と偽って販売をしていることが大きな問題となっていました。

コストに関しては徐々にクリアされ、今後は更に手に入れやすい金額になっていくかと思います。

偽装にしても、現在ではショップが顧客を騙すということはほぼないかと思います。

今では倫理に欠けた企業は淘汰され、また、この時代において発覚後のリスクや業界全体のダメージも相当大きくなるためです。



人工宝石に関してはさまざまな意見がありますが、私は人工のものにも美しさを感じます。

天然のものとは違うという観点を持つことにより、人がその手で生み出した新しい価値が認められます。

色々な価値観の存在する中で顧客の選択肢が広がることは正しいことであり、それは宝石のひとつの魅力を生み出していると考えています。



ただ私は自然に対する精神性の美しさを大切に考え、現在は主に半貴石の天然宝石を扱っています。

それは宝石の市場価値にとらわれない純粋な美的価値と、気の遠くなるような長い年月によってつくられた石の物語性に、ロマンティックな夢を見るためです。



「地球カレンダー」と呼ばれるものがあります。

誕生から現在におよぶ約46億年の地球の歴史を、分かりやすく1年間の長さで考えたものです。


1月1日午前0時を地球の誕生とすると、細胞などの原始生命体の誕生、大陸の形成と環境の安定などを経て、ようやく魚類が誕生するのが11月20日。もうすでに一年の終わりも見えはじめる頃です。


12月13日 恐竜の誕生

12月20日 鳥類の出現

12月26日 巨大隕石の激突により恐竜が絶滅

12月31日 午前10時40分 人類のルーツとなる猿人が誕生

12月31日 午後3時39分 猿人が直立二足歩行をはじめる

12月31日 午後11時58分52秒 猿人が進化した現生人類が農耕を開始

12月31日 午後11時59分46秒 キリスト降誕


「地球カレンダー」で考えれば、西暦がはじまってからはたったの14秒しかたっていません。

地球の歴史と比べると、人間の歴史はこれほどまでに短いのです。

それを考えると、私たちよりはるか昔から地球と生きてきた天然の宝石たちには、神秘の物語が感じられます。

私はそのような天然宝石の圧倒的な歴史に、悠久の美を見出します。


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