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  • 執筆者の写真Kyohei Hayakawa

博多座 『坂東玉三郎 特別舞踊公演』

博多座『坂東玉三郎 特別舞踊公演』千穐楽を観劇。



久々の歌舞伎。数年ぶりの玉三郎さん。

福岡を離れる前の最後の博多座。

個人的にも感慨深い舞台でもありました。



【演目】


一、口上(こうじょう)

二、鶴亀(つるかめ)

三、日本振袖始(にほんふりそではじめ)


『口上』で現れた玉三郎さんのまばゆいオーラ。

語られる言葉にも人と美を愛する深い心を感じました。

コロナ禍における厳しい現実。

そのような中いっときでも美しい夢の世界に浸ることの大切さ。

今日無事に過ごせることの幸福。


舞台芸術の厳しい現状も憂いておられ、歌舞伎だけでなく日本の演劇界全体を大切にしたいという玉三郎さんの切なる願いが伝わります。


「機械を通さない形で自分達の修行の成果を見ていただくことが何よりも嬉しい」

ということを述べられていたことも深く心に残りました。



『鶴亀』での神々しい女帝の舞。

その舞踊は祝祭であり祈願でもありました。

芸術家の強い想いと美しい表現は私たちに輝かしい希望を与え、幸福の未来を見せてくれます。



『日本振袖始』における妖艶で怪奇な姿。

八岐大蛇(ヤマタノオロチ)という怪物を演じることであらわれる神秘性。

妖しさと恐ろしさの中に不思議な美しさと感動を覚えます。

目の前にこの世のものでないものを見る幻想。耽美的世界に包み込まれる感覚。

生の舞台でしか味わうことのできない感動です。



美しいものに触れることの幸福を純粋に感じられる時間でした。

玉三郎さんという奇跡の存在を見られる幸せ。


今日一日を大切に過ごすこと。

周りの人々の無事を常に願うこと。

人にとって当たり前のことも日常の中でふと忘れてしまう。

玉三郎さんの美は人としての大切な心も伝えます。

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